【9日目】迷宮都市を歩く・II （７）：年中放浪記：So-netブログ

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【9日目】迷宮都市を歩く・II （７）　[2009イタリア] [編集]

前回の最後で「これでルート9も終わり」と書いたんですが、実はもうちょっとだけ残っているんじゃ。

それがコレ。フラーリ教会から南西にあるサン・パンタロン教会前の広場から東に入ると小さな広場（カンピエッロ・アンガラン）で行き止まりになるんですが、その突き当たりの壁にこのマークが彫られているんです。

このマークに掘られているのは、ビザンチン帝国の皇帝だそうです。みなさん御存知のように、かつてヴェネツィアはビザンチン帝国の領土となり、その後独立して同盟国となり、そして共に戦ったと思ったら互いに戦争し合ったという、かなり微妙な関係の二カ国です。攻めたり攻められたりした時点で、この手の記念碑的なシンボルは破壊されてもおかしくないと思うのですが、今でもちゃんと残っているというのは文化財を大切にするイタリア人気質のおかげなんでしょうかね。

そして何を隠そう、実はこれが僕の次の旅行への布石になっていたりするんですよね～。
ま、当時はそんなこと全然思いもしなかったんですが、今にして思えばちゃんと繋がっているんだなぁという感じです。出発まであと数日しかないので、それまでにこの旅行記を終わらせるのは絶望的ですが、なんとか区切りの良いところまで進めたいと思います。頑張るよ、うん……。

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ちなみに、これがさっき前をスルーしてきたサン・パンタロン教会。なんだか時代遅れのヒッピーを想像してしまうような名前ですが、これは聖パンタレオーネをヴェネツィア弁で読んだもの。
彼はキリスト教への迫害により殉教した人で、ニコメディア（現在のトルコのイズミット）の医師だったそうです。むむ、ここでも今度の旅行への繋がりが……。

なお、この教会は月～土の16:00-18:00の２時間しか開いていないらしく、よほど上手く計画を立てて回らないと中を見学することはできないと思われますが（当然、僕は無理でした）、実は隠れた必見スポットだったらしいんですよ、ここ。目玉は天井一杯に広がった天井画。キャンバスに描いた絵としては世界一の大きさだと言われているそうですが、薄暗くて良く見えないから観光客は金を払ってランプを点けて見物するんだとか。それで夕方だけ開いているのか。凄ぇ。

これはサン・パンタロン教会前の広場なんですが、この前に掛かる橋が格好良くて何枚も写真を撮ってしまいました。広場が工事中だったのがちょっと残念でしたね。

で、これがその橋の上から撮った写真。橋の先で運河が分岐しているおかげで、なかなか見られない景色が広がっています。かなり気に入ってしまったので、しばらくここでボーッと和んでました。

広場からは、分岐した方の運河にも橋が掛かっています。橋の上から別の橋を眺めるというというのもオツなもんですね。カメラを構えていたらタイミングよくボートがやって来たので、我ながらナイスな写真が撮れました :-)

ちょっと遊びすぎたので、急いで先に向かいましょう。ここがルート10の出発地点、サンタ・マルゲリータ広場です。冒頭で「もうちょっとだけ残っているんじゃ」と言いながら、結構続いたのはお約束ですよね。やっぱり鳥山明先生は偉大やなぁ。

広場の北側に建つのが、広場の名前にもなっているサンタ・マルゲリータ教会……だった建物。教区の再編にともなって機能を停止し、その後倉庫や映画館などに使われていたそうです。現在は大学の大講義室として使われていると本には書かれてありますが、どうもそんな感じには見えません。ひょっとして、別の建物だったのかなぁ...。

でも、隣にあったこの建物も違うよね。中央上部に聖マルゲリータの彫像があるから最初はコレが教会に違いないと思っていたんですが、見れば見るほど違う気がしてくる。
けど、隣に建っているのは間違いなく教会の鐘楼なんですよね。「老朽化し構造的に危険だということで1808年に18mの高さに切断された」という本の記述にピタリと一致しますもの。やっぱりさっきのが元・教会で合ってるんだよなぁ……。

本の筆者は留学時代この界隈に住んでいたそうで、かなりのスペースを割いて思い入れたっぷりに語っています。とはいえ、一回の旅行者に過ぎない僕にとってはそれほどでも…… と思ったんですが、筆者の言葉を信じれば「ヴェネツィアの若者に、どの広場が一番好きかと聞くと、誰もがこのサンタ・マルゲリータのカンポをあげる」とあるので、何か隠れた魅力があるんでしょうね。
地元びいきのフィルターが掛かっているだけという可能性もありますが。

広場の南にポツンと建っているのが、元の皮なめし職人のスクオラ。本当にポツンと建っているので、事前情報がなければ公園の管理事務所にしか見えません。どうしてこんな所に……と思っていたら、昔はここが運河沿いだったそうです。奇妙な形をした広場だと思っていたら、やっぱり運河を埋め立てて作った広場だったんですね、ここ。

それを一番実感できるのが、広場の南西方面。曲線を描きながら徐々に狭くなっていく所は、まさしく運河だった頃を彷彿とさせます。というか、どこまでが広場で、どこからが道か解りづらい…。

その、一番細くなったあたりでオペラを上映していました。こういう、街に溶け込んでいる普通の建物でオペラを上映しているっていうのが凄いですね。ヴェネツィアの人達にとっては、映画感覚でオペラを鑑賞できるんでしょうなぁ。こりゃ敵わないハズだよ（何をだ）

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2011-04-25 23:43 nice!(0) コメント(7) トラックバック(0)
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